特集 てんかんの新治療戦略と課題
6.神経心理学から見たてんかん
山野光彦
1
,
赤松直樹
2
,
辻貞俊
3
1東海旅客鉄道株式会社 静岡健康管理センター
2産業医科大学医学部神経内科学講座・准教授
3国際医療福祉大学福岡保健医療学部・学部長
pp.1295-1298
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201305093
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てんかん領域における神経心理学検査は重要な役割を持ち,発作症候や脳波,各種画像検査などにより推定されたてんかん焦点部位との整合性を確認する手段となり得ること,またてんかん外科領域においては,術前の認知機能を把握することにより,術後の機能変化を評価することができる。さらに,現在てんかん患者の社会面を支える神経機構の研究が精力的になされており,表情認知や意思決定などの社会的認知機能という概念が注目されている。神経心理学検査を用いて認知機能を総合的に評価することにより,今後のてんかん患者のQOL(quality of life)向上を含めた,トータル・マネジメントに寄与することが期待されている。が期待される。