特集 てんかんの新治療戦略と課題
5.電気刺激デバイスを用いたてんかん治療
宇佐美憲一
1
,
川合謙介
2
1東京大学大学院医学系研究科脳神経外科学
2東京大学大学院医学系研究科脳神経外科学 准教授
pp.1289-1293
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201305087
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開頭手術が適応とならない薬剤抵抗性難治性てんかんに対する補助療法として,電気刺激デバイスによる治療が注目されている。そのうち,迷走神経刺激,視床前核への脳深部刺激,反応式皮質刺激に関しては,無作為化二重盲検試験によりてんかんに対する有効性が証明されており,迷走神経刺激は既に本邦で使用可能である。いずれのデバイスも電源内蔵型であり,すべて体内に植え込んで使用する。デバイス間での差はあるものの,治療開始2年後の50%以上発作頻度が減少する患者の割合は43~ 54%である。いずれも発作の根治率は低いが,開頭手術の適応がない難治性てんかん患者にとっては重要な治療選択肢である。