特集 てんかんの新治療戦略と課題
4.高齢者てんかんの現状と治療
赤松直樹
1
,
田中章浩
2
,
豊田知子
2
,
山野光彦
3
,
辻貞俊
4
1産業医科大学医学部神経内科学講座 准教授
2産業医科大学医学部神経内科学講座
3東海旅客鉄道株式会社 静岡健康管理センター
4国際医療福祉大学福岡保健医療学部・学部長
pp.1285-1288
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201305083
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高齢者はてんかんを好発する。そして老年人口の急激な増加により,高齢者のてんかん患者数も増加している。高齢者初発てんかんは,けいれんをきたさない意識減損発作である複雑部分発作が多く,てんかんの診断が容易でない場合があり,鑑別診断に注意する。高齢者では,てんかん発作が身体的および精神的に患者に与える影響が大きいが,一方,適切に診断・治療すれば,抗てんかん薬による治療効果が良いことも知られている。今後,本邦が超高齢化社会を迎えるにあたり,高齢てんかん患者の病態,診断およびその治療の特殊性等を理解することは非常に重要である。