Japanese
English
教育講座
てんかん診療へのリハビリテーション心理学の応用
Application of Rehabilitation Psychology in Epilepsy Care
小川 舞美
1
,
藤川 真由
1,2
,
中里 信和
1
Maimi Ogawa
1
,
Mayu Fujikawa
1,2
,
Nobukazu Nakasato
1
1東北大学大学院医学系研究科てんかん学分野
2慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室
キーワード:
てんかん診療
,
リハビリテーション心理学
,
QOL
,
ICFモデル
,
セルフスティグマ
Keyword:
てんかん診療
,
リハビリテーション心理学
,
QOL
,
ICFモデル
,
セルフスティグマ
pp.800-806
発行日 2019年10月18日
Published Date 2019/10/18
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
てんかんは,有病率約1%のありふれた疾患であり,国内患者数は約100万人と推定されている1).国際抗てんかん連盟(International League Against Epilepsy:ILAE)が提唱するてんかんの定義は,「てんかん発作を生じさせる持続性な病態と,それによる神経生物学的,認知的,心理学的,および社会的な帰結を特徴とする脳の障害」である2).この定義の注目すべき点は,てんかんが及ぼす心理社会面への影響が言及されていることである.このように心理社会的な問題の重要性が取り上げられ,てんかん患者へのリハビリテーション医療が注目されつつある.さらに,本邦初の心理職の国家資格として,2017年に公認心理師制度がスタートしており,てんかん診療において,心理社会的支援が担う役割が今後ますます大きくなることが期待される.患者の心理社会的側面の理解は,リハビリテーション医療の包括的目標であるquality of life(QOL)を高めるため,すべての医療スタッフにとって重要である.本稿ではてんかんの病態と心理社会の両面を概説しつつ,てんかん診療へのリハビリテーション心理学の応用について述べる.
Copyright © 2019, The Japanese Association of Rehabilitation Medicine. All rights reserved.