Japanese
English
特集 精神疾患の気づきと病識
神経心理学から見る気づきと病識
Awareness and Insight from the Perspective of Neuropsychology
是木 明宏
1
Akihiro Koreki
1
1国立病院機構下総精神医療センター
1National Hospital Organization Shimofusa Psychiatric Medical Center, Chiba, Japan
キーワード:
病態失認
,
anosognosia
,
アウェアネス
,
awareness
,
階層モデル
,
動的包括的モデル
,
dynamic comprehensive model of self-awareness
,
cognitive awareness model
Keyword:
病態失認
,
anosognosia
,
アウェアネス
,
awareness
,
階層モデル
,
動的包括的モデル
,
dynamic comprehensive model of self-awareness
,
cognitive awareness model
pp.767-773
発行日 2024年6月15日
Published Date 2024/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207306
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抄録
高次脳機能障害患者の病識低下には心理学的な側面と生物学的な側面がある。後者が神経心理学的な病識低下だが,大きく2層構造に区別される。1つは運動,記憶,言語といった領域特異的な病識低下で,病態失認が代表的である。もう1つはセルフアウェアネスの障害として表現される,自身の全体像を把握するレベルでの障害による病識低下である。病識低下の代表的な理論モデルにはCrossonらの階層モデルやTogliaらの動的包括的モデル,Morrisらのcognitive awareness model,Ownsworthらの生物心理社会モデルがある。また,病識を定量的に評価する2つの主な方法として,①患者の報告と他者の報告を比較すること,②患者が予測した成績と実際の成績を比較することが挙げられる。病識の改善はリハビリテーション効果にも直結するため,上記モデルを考慮したさまざまな介入方法が行われている。
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