特集 新規リン低下薬テナパノル症例集―使い方,副作用への対処
10.腹膜透析患者に対するテナパノル塩酸塩の使用経験
丸山 之雄
1
,
松尾 七重
1
1東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科
キーワード:
残存腎機能
,
ナトリウムイオン/プロトン交換輸送体3(NHE3)
,
二次性副甲状腺機能亢進症
,
ポリファーマシー
Keyword:
残存腎機能
,
ナトリウムイオン/プロトン交換輸送体3(NHE3)
,
二次性副甲状腺機能亢進症
,
ポリファーマシー
pp.1267-1271
発行日 2025年9月10日
Published Date 2025/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003583
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慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常が,腎性骨症のみならず,血管石灰化などの機序を介して,生命予後に影響するという疾患概念である「慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常(chronic kidney disease-mineral and bone disorder;CKD-MBD)」は腹膜透析(peritoneal dialysis;PD)の領域でもとても重要であり,血液透析(hemodialysis;HD)患者と同様,血清リン値の管理目標値は3.5〜6.0 mg/dLとなっている.従来,HD患者と異なり,血清カルシウム値や血清リン値が急激に変動しにくいという特徴を有するPD患者に限定した研究は少なかったが,最近,7カ国が参加しているPDの前向きコホート研究であるPDOPPS研究(Peritoneal Dialysis Outcomes and Practice Patterns Study)において,血清リン値が5.5 mg/dL以上の群で,ほかの因子と独立して生命予後を悪化させてしまうことが明らかになっている.

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