特集 宇宙医学研究の最先端
1.免疫(2)重力変化に対する免疫システムの可塑性とその破綻
前川 洋一
1
1岐阜大学大学院医学系研究科分子・構造学講座寄生虫学・感染学分野
キーワード:
リンパ球幼若化低下
,
潜伏ウイルス再活性化
,
ステロイドホルモン
Keyword:
リンパ球幼若化低下
,
潜伏ウイルス再活性化
,
ステロイドホルモン
pp.177-183
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.19020/KB.0000000054
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宇宙飛行は宇宙飛行士の免疫システムに影響を及ぼす.宇宙飛行士に対する重力の変化には宇宙飛行の際の微小重力だけでなく,打ち上げあるいは帰還の際の過重力も存在する.このような重力の変化は生体および免疫システムにとって過剰なストレスを与えると想像される.これまでの宇宙飛行士の検体の解析から,あるいはヒトおよび実験動物や細胞を用いた地上での重力変化に対する影響を観察する研究から,免疫システムに現れる変調が明らかになってきた.われわれは,重力の変化のような過度のストレスに曝された際に免疫システムが受ける影響について,とくに免疫記憶の観点から研究を行っている.本稿では,重力変化による
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