Japanese
English
臨床経験
胸椎に発生した脊索腫の1例
Chordoma of the Thoracic Spine : A Case Report
久田原 郁夫
1
,
大和田 哲雄
1
,
大河内 敏行
1
,
山本 利美雄
1
,
小林 晏
2
Ikuo Kudawara
1
1大阪厚生年金病院整形外科
2大阪厚生年金病院病理検査科
1Department of Orthopaedic Surgery, Osaka Koseinenkin Hospital
キーワード:
脊索腫
,
chordoma
,
胸椎
,
thoracic spine
,
ステロイドホルモン
,
steroid hormone
Keyword:
脊索腫
,
chordoma
,
胸椎
,
thoracic spine
,
ステロイドホルモン
,
steroid hormone
pp.211-215
発行日 1995年2月25日
Published Date 1995/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901571
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抄録:稀な第11胸椎発生の脊索腫の1例を報告する.症例は60歳,男性で腰痛と両足のしびれで発症した.脊髄腔造影では完全ブロックを示し,CTでは脊柱管周囲より椎体後部,椎弓根にかけて骨破壊像がみられた.診断は画像のみでは不可能で免疫組織化学染色を含めた組織学的検索によった.治療は後方進入により腫瘍病巣内切除,腓骨移植,Roy-Cammille plateによる固定術を施行した.術後,補助療法としてシスプラチン,アドリアマイシンなどの多剤併用による化学療法を施行した.4年後に局所再発による両下肢痙性麻痺を示したため,再手術を行い,術後化学療法を施行したが5カ月後に2回目の再発を起こした.50Gyの放射線療法を施行したが無効で麻痺が進行した.麻痺に対してはステロイドホルモンが有効で腫瘍体積の縮小も得られた.初回手術後5年9カ月後の現在,再発腫瘍が存在しているが遠隔転移はなく生存中である.
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