サイトメガロウイルス腸炎とClostridium difficile感染症
炎症性腸疾患合併サイトメガロウイルス腸炎の治療 積極的CMV治療必要なしの立場から
松岡 克善
1
,
渡辺 守
1東京医科歯科大学 消化器内科
キーワード:
PCR法
,
ウイルス活性化
,
サイトメガロウイルス感染症
,
ウイルス抗原
,
腸炎
,
大腸炎-潰瘍性
,
腸粘膜
,
Ganciclovir
,
遺伝学的検査
Keyword:
Antigens, Viral
,
Cytomegalovirus Infections
,
Colitis, Ulcerative
,
Enterocolitis
,
Genetic Testing
,
Intestinal Mucosa
,
Virus Activation
,
Polymerase Chain Reaction
,
Ganciclovir
pp.539-543
発行日 2015年11月20日
Published Date 2015/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2016057109
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潰瘍性大腸炎においてサイトメガロウイルス(CMV)腸炎が合併し,治療抵抗性に関与している可能性が示唆されている.CMV感染とCMV腸炎とは異なる病態であるので,両者を明確に区別しないといけないが,潰瘍性大腸炎では腸管病変や腹部症状がすでにあるため,CMV腸炎を診断することが難しい.現時点では,CMV免疫組織染色と粘膜CMV-PCR法が,潰瘍性大腸炎に合併したCMV腸炎のもっとも特異度の高い検査法であるとされているが,まだエビデンスが少ない.CMVの再活性化には免疫抑制のみならず,炎症が関与しているため,潰瘍性大腸炎の炎症をコントロールすることが,CMVの再活性化を抑制することにもつながる可能性がある.そのため,まずは炎症のコントロールを目指すべきであり,抗CMV薬の治療適応は慎重に判断する必要があると考える.
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