診療controversy medical decision makingのために 潰瘍性大腸炎のサイトメガロウイルス感染はどこまで治療すべきか
慎重に治療すべきという立場から
松岡 克善
1
,
日比 紀文
,
岩男 泰
1慶応義塾大学 医学部消化器内科
キーワード:
サイトメガロウイルス
,
ウイルス活性化
,
サイトメガロウイルス感染症
,
ウイルス抗原
,
大腸炎-潰瘍性
,
免疫組織化学
Keyword:
Antigens, Viral
,
Cytomegalovirus Infections
,
Cytomegalovirus
,
Colitis, Ulcerative
,
Immunohistochemistry
,
Virus Activation
pp.877-880
発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012211114
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サイトメガロウイルス(cytomegalovirus:CMV)が潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)の難治化に関与している可能性が示唆されている。しかし、CMVが再活性化の状態にとどまっているのか(感染)、再活性化後に腸管障害を起こしているのか(感染症)、もともと大腸に粘膜障害と腹部症状のあるUC患者では判断がむずかしいのが現状である。実際、CMVが再活性化していても、UCに対する治療を優先することでCMVが消失することがほとんどである。今後、UCにおいて、CMVが確実に腸管障害を起こしている状態を判定する診断法の確立が急務である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012