サイトメガロウイルス腸炎とClostridium difficile感染症
炎症性腸疾患合併サイトメガロウイルス腸炎の病態と診断
松浦 稔
1
,
本澤 有介
,
仲瀬 裕志
1京都大学医学部附属病院 消化器内科
キーワード:
サイトメガロウイルス
,
IgG
,
IgM
,
ウイルス活性化
,
サイトメガロウイルス感染症
,
ウイルス抗原
,
腸炎
,
大腸炎-潰瘍性
,
保菌者状態
,
遺伝学的検査
,
腫瘍壊死因子アルファ
,
リアルタイムPCR法
Keyword:
Antigens, Viral
,
Carrier State
,
Cytomegalovirus Infections
,
Cytomegalovirus
,
Colitis, Ulcerative
,
Enterocolitis
,
Genetic Testing
,
Immunoglobulin G
,
Immunoglobulin M
,
Virus Activation
,
Tumor Necrosis Factor-alpha
,
Real-Time Polymerase Chain Reaction
pp.533-538
発行日 2015年11月20日
Published Date 2015/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2016057108
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サイトメガロウイルス(CMV)はヘルペスウイルス科に属する線状二本鎖DNAウイルスの一つである.通常,幼少期に初感染し,その後生涯にわたり潜伏感染する.ステロイドや免疫調節薬などによる治療を受けているIBD患者,とくにUC患者では,しばしばCMVの再活性化が認められる.UCに合併するCMV再活性化にはTNF-αをはじめとする炎症性サイトカインによる直接的な影響と,ステロイドや免疫調節薬などの治療薬剤による宿主の正常な免疫応答の抑制が関与するとされている.CMV感染の診断には病理組織学的検査,CMV antigenemia法,real-time PCR法などがおもに用いられているが,UCに合併するCMV感染(再活性化)とCMV腸炎を区別することは現実的に難しく,その病態については今後のさらなる検討が必要である.
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