診療controversy medical decision makingのために 潰瘍性大腸炎のサイトメガロウイルス感染はどこまで治療すべきか
積極的に治療すべきという立場から
仲瀬 裕志
1
,
松浦 稔
,
千葉 勉
1京都大学医学部附属病院 内視鏡部
キーワード:
サイトメガロウイルス
,
ウイルスDNA
,
PCR法
,
ウイルス培養
,
サイトメガロウイルス感染症
,
抗ウイルス剤
,
ウイルス抗原
,
酵素抗体法
,
大腸炎-潰瘍性
,
免疫学的検査
,
予後
Keyword:
Antigens, Viral
,
Antiviral Agents
,
Cytomegalovirus Infections
,
Cytomegalovirus
,
Colitis, Ulcerative
,
DNA, Viral
,
Immunoenzyme Techniques
,
Immunologic Tests
,
Prognosis
,
Virus Cultivation
,
Polymerase Chain Reaction
pp.880-885
発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012211115
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)の難治例に対しては、ステロイドおよび免疫抑制薬などの治療が行われる。その一方、ステロイドおよび免疫抑制薬投与に対する治療抵抗性のUC患者においては、サイトメガロウイルス(cytomegalovirus:CMV)感染の関与が注目されている。UC患者のCMV感染合併率に関しては、重症例では21.4%、活動期症例で39.3%、ステロイド抵抗症例で61.5%と報告されている。さらに、CMV感染合併UC患者の予後はわるいとされていることから、難治性UC患者におけるCMV感染の早期診断、そして抗ウイルス薬による治療が必要な症例に対しては積極的な投与が手術回避につながる。
©Nankodo Co., Ltd., 2012