IBD治療のcritical point-私ならこうする
潰瘍性大腸炎 CMV感染合併の診断と対処法 抗ウイルス療法の使用は限定的とする立場から
松岡 克善
1
,
渡辺 守
1東京医科歯科大学 消化器内科
キーワード:
PCR法
,
ウイルス活性化
,
サイトメガロウイルス感染症
,
抗ウイルス剤
,
腸炎
,
大腸炎-潰瘍性
,
治療成績
Keyword:
Antiviral Agents
,
Cytomegalovirus Infections
,
Colitis, Ulcerative
,
Enterocolitis
,
Virus Activation
,
Polymerase Chain Reaction
,
Treatment Outcome
pp.669-674
発行日 2016年5月20日
Published Date 2016/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016299265
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潰瘍性大腸炎においてサイトメガロウイルス(CMV)腸炎の合併が治療抵抗性に関与している可能性が示唆されている.CMV感染とCMV腸炎とは異なる病態であるので,両者を明確に区別しなければならないが,潰瘍性大腸炎では腸管病変や腹部症状がすでに存在するため,CMV感染とCMV腸炎を区別することが困難である.CMV免疫組織化学染色と粘膜CMV-PCR法が,潰瘍性大腸炎に合併したCMV腸炎のもっとも特異度の高い検査法であるとされているが,まだエビデンスは少ない.CMVの再活性化には免疫抑制のみならず,炎症が関与しているため,潰瘍性大腸炎の炎症をコントロールすることが,CMVの再活性化を抑制することにもつながる可能性がある.そのため,まずは潰瘍性大腸炎の炎症のコントロールを目指すべきであり,抗CMV薬の治療適応は慎重に判断する必要があると考える.
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