下部消化管:炎症からの発癌
炎症発癌の診断 内視鏡診断 色素拡大観察(拾い上げ)
渡辺 憲治
1
,
末包 剛久
,
佐野 弘治
,
山崎 智朗
,
佐々木 英二
,
鎌田 紀子
,
山上 博一
,
根引 浩子
,
荒川 哲男
1大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター 消化器内科
キーワード:
Crohn病
,
Indigo Carmine
,
大腸内視鏡法
,
肛門腫瘍
,
大腸炎-潰瘍性
,
大腸腫瘍
,
直腸腫瘍
,
発癌
,
狭帯域光観察
,
色素内視鏡法
Keyword:
Anus Neoplasms
,
Crohn Disease
,
Colonoscopy
,
Colitis, Ulcerative
,
Indigo Carmine
,
Rectal Neoplasms
,
Colorectal Neoplasms
,
Narrow Band Imaging
,
Carcinogenesis
pp.367-372
発行日 2015年7月20日
Published Date 2015/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2015374057
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拡大内視鏡を用いた色素内視鏡観察やNarrow Band Imaging(NBI)観察による情報量の増加は,炎症性腸疾患のサーベイランス内視鏡の精度向上に有用で,サーベイランス内視鏡の第一目標である拾い上げ(detection)の精度向上のみならず,範囲診断や質的診断(characterization)にも寄与する.クローン病の直腸肛門病変に対するサーベイランス法は未確立であるが,サーベイランスの必要性と手技を認識し,直腸反転観察や肛門管観察で狙撃生検による早期発見に努める.潰瘍性大腸炎サーベイランスは,一般的にインジゴカルミン溶液散布による色素内視鏡が精度向上に有用であるが,全大腸NBI観察もdetectionとcharacterizationの第一段階の時間短縮,精度向上に有用である.背景粘膜と炎症関連腫瘍性病変の表面構造(surface pattern)の差異に注目してdetectionの精度向上に努めることが肝要である.
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