下部消化管:炎症からの発癌
炎症発癌の診断 内視鏡診断 通常観察から精密診断まで
岩男 泰
1
1慶応義塾大学医学部附属病院 予防医療センター
キーワード:
Indigo Carmine
,
大腸内視鏡法
,
大腸炎-潰瘍性
,
大腸腫瘍
,
発癌
,
狭帯域光観察
,
色素内視鏡法
Keyword:
Colonoscopy
,
Colitis, Ulcerative
,
Indigo Carmine
,
Colorectal Neoplasms
,
Narrow Band Imaging
,
Carcinogenesis
pp.361-366
発行日 2015年7月20日
Published Date 2015/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2015374056
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潰瘍性大腸炎の長期経過例に大腸癌が高率に合併するため,癌サーベイランスが重要である.しかし,炎症を伴う粘膜に発生し平坦な病変が多いため,ガイドラインでは多数の盲目的生検を採取することを推奨しているが,有効性には疑問が多い.早期診断にはUCACの臨床病理学的特徴や内視鏡所見をよく理解しておく必要がある.病変の約80%以上は直腸・S状結腸に発生している.表在型病変のうち隆起型として発見されたものが約70%を占めるが,近年,平坦型や陥凹型の発見例も増加している.これらの平坦病変のほとんどが発赤を呈する病変として認識されることが多い.今後は,高危険群の絞り込みを行い,わずかな粘膜模様の変化や周囲と異なる発赤領域に留意し,ターゲットを絞ったうえで色素内視鏡や拡大観察など詳細な内視鏡観察が重要である.
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