発行日 2014年9月20日
Published Date 2014/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2015022226
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症例は70歳代,男性.下部消化管内視鏡検査(CS)で直腸Rbに13mmの軽度発赤調で周囲に白斑を伴う平坦な病変を認め,インジゴカルミン散布で段差を有する陥凹局面が明瞭となり陥凹局面は周囲正常粘膜と比較してやや高く,肉眼形態をIIa+IIcと診断した.NBI拡大観察では陥凹局面はsparse patternを呈していた.クリスタルバイオレット染色後の拡大観察では陥凹局面はVI型高度不整pit patternとVN型pit patternを認めた.無構造領域を呈した部分の超拡大内視鏡観察では腺腔は完全に破壊されておりEC3bと診断し,さらにdesmoplastic reaction(DR)の露出を疑う所見も認めた.以上より,SM深部浸潤癌と診断し外科的切除の適応と判断したが,拒否されたため十分な説明のうえEMRを施行した.病理所見はadenocarcinoma(tub2),sm2,pSM1,625μm,ly0(D2-40),v0(VB),budding Grade2,pHM0,pVM0であった.拡大内視鏡所見および超拡大内視鏡所見が病理組織学的所見と対応可能であったIIa+IIc型SM深部浸潤癌を経験したので報告する.
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