発行日 2013年9月20日
Published Date 2013/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013377643
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症例は60歳代男性で、近医にて下部内視鏡で下部直腸に隆起性病変を認め紹介受診した。通常光観察で下部直腸前壁に隆起性病変を認め、順方向観察では緊満感のある丈の高い成分を伴った病変で、反転観察では中央の丈の高い部分と辺縁とで段差が認められた。インジゴカルミン散布観察で隆起性病変辺縁部の段差が明瞭となり、Narrow Band Imaging拡大観察では陥凹内隆起部分に途絶・蛇行した微細血管を認め、佐野分類でcapillary pattern type IIIBと診断した。クリスタルバイオレット染色拡大観察では腫瘍中央部は工藤・鶴田分類のV1軽度不整pit patternと診断し、M~SM軽度浸潤と判断した。陥凹部の生検でtubular adenoma、low and high grade atypiaと診断し、M~SM軽度浸潤癌の診断で内視鏡的粘膜下層剥離術を行った。病理所見では、陥凹内隆起部分は高異型度腺腫~低異形度高分化腺癌、辺縁部は低~高異型度腺腫で全て粘膜内病変であった。
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