大腸内視鏡治療と抗血栓薬-新ガイドラインの妥当性
抗血小板薬内服継続下および抗凝固薬・ヘパリン置換法下大腸ESDの治療成績 PGAフェルト+フィブリン糊被覆法を用いた新たな後出血予防対策
山口 直之
1
,
福田 浩子
,
磯本 一
,
南 ひとみ
,
松島 加代子
,
赤澤 祐子
,
大仁田 賢
,
竹島 史直
,
宿輪 三郎
,
中尾 一彦
1長崎大学病院 光学医療診療部
キーワード:
Heparin
,
Polyglycolic Acid
,
大腸内視鏡法
,
消化管出血
,
腸穿孔
,
経口投与
,
臨床試験
,
血小板凝集阻害剤
,
Fibrin Tissue Adhesive
,
出血-術後
Keyword:
Administration, Oral
,
Clinical Trials as Topic
,
Colonoscopy
,
Heparin
,
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Intestinal Perforation
,
Polyglycolic Acid
,
Platelet Aggregation Inhibitors
,
Fibrin Tissue Adhesive
,
Postoperative Hemorrhage
pp.507-515
発行日 2014年9月20日
Published Date 2014/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2015022225
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現在,超高齢社会の到来に伴い,抗血栓薬内服中の患者は増加する傾向にある.今後は内視鏡治療においても抗血栓薬の継続または中止を適切に判断することが必要な時代になってきた.しかし,抗血栓薬内服継続下ESDにおいては,出血合併症,とくに後出血の頻度が高まることが予想され,新たな後出血対策が必要と思われる.そこで,今回,われわれは,Takimotoらが十二指腸ESD後穿孔予防に用いた内視鏡的PGAフェルト+フィブリン糊被覆法が新たな後出血予防策となる可能性があると考え,血栓症リスク患者に対して,抗血小板薬内服継続下または抗凝固薬・ヘパリン置換法下に大腸ESDを行い,その被覆法の後出血予防効果を検討した.結果は,後出血率において,非被覆群で17.6%,抗血栓薬非内服群で6.9%であるのに対して,被覆群は0%(0/12)であり,非被覆群・非内服群と比較して低く,この被覆法は抗血小板薬内服継続下または抗凝固薬・ヘパリン置換法下ESDにおいて新たな後出血予防法となる可能性が示唆された.
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