特集 骨ミネラル代謝と疾患
慢性腎臓病における栄養障害と低リン血症
奥野 仙二
1
,
石村 栄治
1仁真会白鷺病院 内科
キーワード:
栄養障害
,
栄養評価
,
エネルギー摂取量
,
血液透析
,
食品中のリン
,
リン
,
虚弱高齢者
,
身体計測
,
低リン酸血症
,
筋肉減少症
,
慢性腎臓病
,
Kaplan-Meier法
Keyword:
Anthropometry
,
Energy Intake
,
Renal Dialysis
,
Nutrition Disorders
,
Nutrition Assessment
,
Frail Elderly
,
Phosphorus, Dietary
,
Hypophosphatemia
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Sarcopenia
,
Kaplan-Meier Estimate
,
Phosphorus
pp.31-38
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2017161096
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慢性腎臓病においては,栄養障害が高頻度にみられ,この栄養障害は生命予後とも深く関連していることが知られており,protein-energy wasting(PEW)と呼ばれている.また,この栄養障害は,サルコペニアやフレイルの主要な原因ともなっている.栄養障害の原因としては,栄養摂取不足,慢性炎症,内分泌・代謝異常などが考えられている.栄養状態の評価方法としては,食事摂取量調査,身体計測,生化学的検査や栄養スコア化法がある.血清リン濃度は,リンの摂取量つまりは蛋白質の摂取量の影響を受けるため,血清リン濃度が低値である場合には,蛋白質の摂取量が低下している可能性がある.透析患者では,血清リン濃度が低いと生命予後が不良であることが報告されているが,これは低リン血症では栄養障害が存在する可能性があることを示唆しているものと考えられている.
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