高齢化のなかでのCKD-MBDにどう対応するか?
リンの吸収量・除去量は簡単に推定できるのか
菊地 博
1
,
島田 久基
,
柄澤 良
,
鈴木 正司
1豊栄病院(厚生連) 内科
キーワード:
血液透析
,
食事療法
,
食品中のリン
,
食品中のタンパク質
,
腸管吸収
,
リン
,
慢性腎臓病
,
Ferric Citrate
,
Lanthanum Carbonate
Keyword:
Diet Therapy
,
Dietary Proteins
,
Renal Dialysis
,
Intestinal Absorption
,
Phosphorus, Dietary
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Ferric Citrate
,
Lanthanum Carbonate
,
Phosphorus
pp.721-727
発行日 2016年6月10日
Published Date 2016/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016288279
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血液透析患者の生命予後に重要な影響を及ぼすリン(P)代謝は,透析前血清P濃度のみで評価されてきた.血液透析でのP除去量を新たな指標と考え,簡便かつ正確にこれを推定する式を考案した.長期的なP出納バランスは保たれており,腸管からの吸収量と透析での除去量はほぼ等しい.すなわち,除去量の推定は吸収量の推定を意味する.これにより,P吸着薬の薬効や無機P過剰摂取のスクリーニング,食事療法効果の評価などが可能となる.標準化蛋白異化率およびP除去量両者の評価では,高齢者において標準化蛋白異化率,たんぱく摂取量,P吸収量のいずれもが低値であった.また,若年層に無機P過剰摂取が多いことが示唆された.
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