ESD手技の標準化に向けて
安全なESDのコツと偶発症の対処 大腸ESD 施術におけるクオリティコントロール
小原 佳子
1
,
豊永 高史
,
石田 司
,
森田 圭紀
,
梅垣 英次
,
東 健
1神戸大学医学部附属病院 光学診療部
キーワード:
大腸内視鏡法
,
術後合併症
,
消化管出血
,
大腸腫瘍
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
Keyword:
Endoscopic Mucosal Resection
,
Colonoscopy
,
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Postoperative Complications
,
Colorectal Neoplasms
pp.433-442
発行日 2017年3月20日
Published Date 2017/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017217829
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ESDは大きな病変や瘢痕症例の内視鏡的一括切除を可能にしたが,局所切除にすぎず,リンパ節転移のない症例が対象である.その危険因子である先進部の組織型・浸潤様式,脈管侵襲の有無は切除後の病理組織診断で確認するほかない.一括切除のみならず,十分な厚さの粘膜下層を含んだ損傷や熱変性の少ない切除標本が不可欠である.大腸ESDにおいても技術的なポイントは,食道・胃ESDと同様に切開縁直下の横走血管網を適切に処理し,固有筋層と血管網の間の層に至ることである.さらに剥離深度をこの層に維持することで,血管の豊富な症例や線維化例などの困難例の対処も可能にし,安全かつ効率的な切除と質の高い切除標本を得ることにつながる.
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