ESD手技の標準化に向けて
安全なESDのコツと偶発症の対処 大腸ESD ポケット法(PCM)による手技の工夫
林 芳和
1
,
山本 博徳
1自治医科大学 内科学講座消化器内科学部門
キーワード:
大腸内視鏡法
,
腺癌
,
大腸腫瘍
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
Keyword:
Endoscopic Mucosal Resection
,
Adenocarcinoma
,
Colonoscopy
,
Colorectal Neoplasms
pp.443-449
発行日 2017年3月20日
Published Date 2017/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017217830
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ポケット法は安全・確実な大腸ESDを可能にする.その利点をとくに二つあげるとすれば,一つめは,先端細径フードで粘膜下層に潜り込むシンプルな操作で,剥離すべき粘膜下層組織に牽引・反対牽引をかけることができ,効率的なESDを可能にすること.二つめは,ポケット内では筋層・粘膜下層を目視しながら,筋層直上のラインで粘膜下層を剥離することができるので,厚い粘膜下層のついた良質な病理標本を得ることができることである.このような,筋層・粘膜下層を目視しながらの剥離はESDの安全性にも大きく貢献する.これらのほかにも内視鏡操作性の安定化など,ポケット法は多くの利点を有しており,大腸ESDの標準的な手法としてぜひ習得していただきたい.
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