"大腸腫瘍"内視鏡的治療の最前線
大腸ESDの偶発症対策
新畑 博英
1
,
山本 博徳
,
林 芳和
,
佐藤 博之
,
三浦 義正
,
井野 裕治
,
北村 絢
,
砂田 圭二郎
1自治医科大学 消化器内科
キーワード:
外科的止血
,
術後合併症
,
術中合併症
,
消化管出血
,
抗血栓剤
,
大腸腫瘍
,
腸穿孔
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
Keyword:
Endoscopic Mucosal Resection
,
Fibrinolytic Agents
,
Hemostasis, Surgical
,
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Intraoperative Complications
,
Intestinal Perforation
,
Postoperative Complications
,
Colorectal Neoplasms
pp.215-220
発行日 2014年1月20日
Published Date 2014/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2014091110
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大腸ESDにおいてとくに注意すべき偶発症としては,出血と穿孔が挙げられる.出血については,術中に血管を認めた時点で,precoagulationを行い可能なかぎり出血させないESDを行うべきである.術中の慎重な血管処理は,後出血対策としても重要である.可能なかぎり出血させず視野を良好に保つことは,層を視認しながら剥離することにつながるため穿孔の予防にも有効である.穿孔を生じた場合,大腸では汎発性腹膜炎を生じる危険性がある.クリップなどで適切に穿孔部を閉鎖し,絶食のうえ,抗菌薬投与が必要である.万が一,穿孔部閉鎖にもかかわらず汎発性腹膜炎に至った場合や遅発性穿孔をきたした場合には遅滞なく外科手術を行わなければならない.
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