臨床に必要な消化管による食欲調節の知識
食欲異常と消化管 老化と食欲
武田 宏司
1
1北海道大学 大学院薬学研究院臨床病態解析学
キーワード:
Cholecystokinin
,
Insulin
,
胃内容排出
,
加齢
,
嗅覚
,
食欲調節
,
食欲不振
,
味覚
,
Leptin
,
Peptide YY
,
Ghrelin
,
Glucagon-Like Peptide 1
,
高齢者栄養生理学的現象
Keyword:
Aging
,
Anorexia
,
Appetite Regulation
,
Cholecystokinin
,
Gastric Emptying
,
Insulin
,
Taste
,
Smell
,
Peptide YY
,
Leptin
,
Glucagon-Like Peptide 1
,
Ghrelin
,
Elder Nutritional Physiological Phenomena
pp.1261-1267
発行日 2016年7月20日
Published Date 2016/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016392519
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老化に伴う食欲不振は,体重減少,栄養不良,サルコペニア,予後不良などの原因となりやすい.高齢者における摂食量の減少は,老化に伴う生理的なエネルギー消費量の減少を上回ることが多いとされ,この状態にさらに社会的,心理的,医学的要因などの病的状態が加わることにより容易に体重減少が生じる.高齢者にみられる生理的な食欲低下の原因としては,味覚・嗅覚をはじめとする感覚の低下,胃排出,胃貯留能の低下を中心とする消化管機能の異常,インスリンや消化管ホルモンの異常などがあげられる.なかでも,満腹ホルモンであるCCKやPYYの上昇,摂食ホルモンであるグレリンの低下の役割が大きいことが明らかとなっている.
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