消化管疾患に対する漢方医学からのアプローチ-現状と展望
漢方薬の作用機序を巡って グレリンが仲介する六君子湯と食欲調節機構
屋嘉比 康治
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1埼玉医科大学総合医療センター 消化器・肝臓内科
キーワード:
Cisplatin
,
食欲調節
,
食欲不振
,
ストレス
,
臨床試験
,
治療成績
,
六君子湯
,
Non-Ulcer Dyspepsia
,
Ghrelin
,
Serotonin 5-HT2 Receptor Antagonists
,
消化管運動改善剤
Keyword:
Anorexia
,
Appetite Regulation
,
Cisplatin
,
Clinical Trials as Topic
,
Treatment Outcome
,
Ghrelin
,
Serotonin 5-HT2 Receptor Antagonists
pp.221-230
発行日 2013年1月20日
Published Date 2013/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013120332
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近年,六君子湯の薬理作用に対して多くの研究がなされており,六君子湯が十二指腸から回腸までの蠕動運動伝播を促進し,胃排出の促進,空腹期あるいは食後期の収縮の改善,単離モルモット胃の適応性弛緩を促進することなどが報告されている.また,臨床研究でも六君子湯が胃癌術後の症状改善やがん化学療法の食欲低下の改善作用,あるいは逆流性食道炎にも有効であるとの報告が相次いで認められる.さらに,最近はその作用機序についても研究され,食欲亢進ペプチドのグレリン分泌を増加させることが明らかとなった.さらにグレリン作用の増強効果も報告されている.本稿ではグレリンの作用を介する六君子湯の食欲亢進作用について,その作用機序を中心にレビューする.
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