臨床に必要な消化管による食欲調節の知識
肥満と消化管 肥満のメカニズムと消化管
南 勲
1
,
小川 佳宏
1東京医科歯科大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌・栄養内科
キーワード:
Cholecystokinin
,
消化管ホルモン
,
食行動
,
肥満
,
治療成績
,
Leptin
,
Peptide YY
,
Liraglutide
,
Ghrelin
,
Incretins
,
Cetilistat
Keyword:
Liraglutide
,
Cholecystokinin
,
Feeding Behavior
,
Gastrointestinal Hormones
,
Obesity
,
Treatment Outcome
,
Peptide YY
,
Leptin
,
Ghrelin
,
Incretins
,
Cetilistat
pp.1199-1206
発行日 2016年7月20日
Published Date 2016/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016392511
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肥満は摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ることで発生する.脂肪や消化管など末梢から分泌されるホルモンの乱れは,エネルギー収支バランスを壊し,肥満の一因となる.脂肪から分泌されるレプチンの血中濃度は体脂肪量に比例し,中枢への摂食抑制作用をもつ.消化管から分泌されるpeptide YY,glucagon-like peptide-1,コレシストキニンは満腹シグナルを脳に送り,摂食量を抑制する.空腹時に分泌されるグレリンは,逆に摂食を刺激する.これらの消化管ホルモンの刺激は迷走神経求心路を介して延髄孤束核に達し,摂食行動を調節する.また,近年腸内細菌叢の変化と肥満の関連が指摘されている.これらの知見は,肥満に対する新たな治療法の開発のヒントになるかもしれない.
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