臨床に必要な消化管による食欲調節の知識
食欲調節と消化管ホルモン ネスファチン-1の食欲調節と臨床的意義
栗林 志行
1
,
草野 元康
,
森 昌朋
1群馬大学医学部附属病院 消化器・肝臓内科
キーワード:
胃内容排出
,
視床下部
,
消化管ホルモン
,
食欲調節
,
脳
,
肥満
,
脂肪細胞
,
Non-Ulcer Dyspepsia
,
Nucleobindin
,
条件刺激
Keyword:
Appetite Regulation
,
Brain
,
Gastrointestinal Hormones
,
Hypothalamus
,
Gastric Emptying
,
Obesity
,
Adipocytes
,
Nucleobindin
pp.1241-1246
発行日 2016年7月20日
Published Date 2016/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016392516
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肥満と消化器系機能異常との相関が指摘されている.肥満は長年にわたる食欲亢進と消費エネルギー低下の結果生ずる.消化管ホルモンは消化管機能に関わるとともに脳に作用して食欲調節を行い,一部のホルモンは脂肪細胞にも影響を及ぼす.また,脳や脂肪細胞由来のホルモンが消化管運動にも影響する.私たちは脳と脂肪細胞に発現して食欲抑制性に作用し,脂肪細胞分化に影響するネスファチン-1を見出した.さらに,ネスファチン-1は消化管にも局在して,消化管作用も有し,機能性消化管障害などへの関与も示唆されている.本稿においてはネスファチン-1の発見と,食欲調節作用ならびに消化器系臓器作用を中心に述べる.
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