栄養代謝制御における消化管生理活性ペプチドの役割
インスリンの食欲抑制作用とその機序
河野 大輔
1
,
前川 文彦
,
前島 裕子
,
Gantulga Darambazar
,
矢田 俊彦
1自治医科大学 医学部生理学講座統合生理学部門
キーワード:
Insulin
,
Neuropeptide Y
,
Pro-Opiomelanocortin
,
過食
,
脂質代謝
,
視床下部
,
食欲
,
糖尿病
,
Leptin
,
糖代謝
,
Agouti-Related Protein
,
Nucleobindin
Keyword:
Bulimia
,
Appetite
,
Diabetes Mellitus
,
Hypothalamus
,
Neuropeptide Y
,
Insulin
,
Pro-Opiomelanocortin
,
Leptin
,
Lipid Metabolism
,
Carbohydrate Metabolism
,
Agouti-Related Protein
,
Nucleobindin
pp.681-689
発行日 2013年5月20日
Published Date 2013/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013272237
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インスリンは食事摂取に伴って血中で増加し,血糖値を下げるとともに食欲の調節も行っている.最近のわれわれの研究から,インスリンが視床下部の摂食代謝調節ニューロンに直接作用することが明らかになった.また,この視床下部におけるインスリンの作用は,摂食・代謝調節に不可欠であることも,コンディショナル・ノックアウトマウスの解析から明らかになってきた.さらに,糖尿病モデル動物の解析から,インスリン作用の異常は直接・間接的に,糖尿病病態においてみられる過食に関わる可能性も指摘されている.本稿では,インスリンの視床下部摂食代謝中枢における作用に焦点を当て,その生理的役割と病態への関与について考察する.
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