機能性消化管疾患-病態の解明と新たな治療
機能性消化管疾患と発症機序 機能性消化管疾患と脳腸相関 神経内分泌の観点から
屋嘉比 康治
1
1埼玉医科大学総合医療センター 消化器・肝臓内科
キーワード:
Corticotropin-Releasing Hormone
,
胃内容排出
,
食欲調節
,
自律神経系
,
ストレス
,
腸
,
脳
,
迷走神経
,
Corticotropin-Releasing Hormone Receptors
,
Non-Ulcer Dyspepsia
,
Ghrelin
,
Urocortins
,
中枢性感作
Keyword:
Appetite Regulation
,
Brain
,
Autonomic Nervous System
,
Corticotropin-Releasing Hormone
,
Intestines
,
Gastric Emptying
,
Vagus Nerve
,
Receptors, Corticotropin-Releasing Hormone
,
Urocortins
,
Ghrelin
,
Central Nervous System Sensitization
pp.193-199
発行日 2015年1月20日
Published Date 2015/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015140027
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機能性消化管疾患では物理的ないし心理的ストレスなどの中枢神経の興奮を消化管臓器の末梢に伝えていく,あるいは逆に消化管の活動を中枢神経に伝える脳腸相関の調節機序が重要である.脳腸相関とは中枢神経である脳と末梢臓器の消化管の双方からの神経やホルモンが両臓器間に両方向性の調節機序を形成していることで,脳腸軸とも呼ばれている.筆者らはこれまでストレス関連ペプチドのウロコルチン1をラット脳室内投与して,胃の機能やグレリンの動態に対する影響を検討し,ストレスが胃からのグレリン分泌に変化を与え,胃運動や胃酸分泌,食欲を低下させることを明らかにしてきた.さらにその病態の機序にCRF2受容体と交感神経,α2受容体が関与していることを明らかにした.また,迷走神経については機能性ディスペプシア(FD)においては作用の減弱があることが報告されており,今後明らかにしなければならない課題である.
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