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クローン病 生物学的製剤(Bio)二次無効の見極めと治療方針 アダリムマブの二次無効とその対処法
鎌田 紀子
1
,
渡辺 憲治
1大阪市立大学 大学院医学研究科消化器内科
キーワード:
Azathioprine
,
Crohn病
,
生物学的製剤
,
多剤併用療法
,
白血球分離
,
薬物反応性低下
,
Infliximab
,
Adalimumab
,
小腸内視鏡法
Keyword:
Infliximab
,
Adalimumab
,
Azathioprine
,
Biological Products
,
Drug Tolerance
,
Crohn Disease
,
Drug Therapy, Combination
,
Leukapheresis
pp.701-707
発行日 2016年5月20日
Published Date 2016/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016299269
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完全ヒト型抗体であるアダリムマブは,自己注射が可能であるという利便性から比較的若い患者を中心に使用されており,その使用状況は生物学的製剤(Bio)ナイーブ症例の約6割を占めるようになっている.二次無効を疑う症状悪化を認めた場合,安易な治療法の強化や変更は行わず,二次無効の原因となる活動性の責任病変の確認をまず行うことが大切である.その後,臨床的背景や治療経過,責任病変の状態などを総合的に評価し,変更する治療内容を決定する.また,強化,変更した治療法の有効性確認も計画的に行うことが肝要で,今後はBioの薬物濃度や抗生物学的製剤抗体,免疫調節薬代謝産物の測定などを含め,より緻密な診療が行えるようになることが期待される.Bio抵抗クローン病症例は,現状のクローン病診療においてもっとも代表的な難治例であることを認識し,内視鏡検査など客観的な画像診断を含め,緻密かつ計画的にマネージメントすることが重要である.
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