IBD治療のcritical point-私ならこうする
クローン病 生物学的製剤(Bio)二次無効の見極めと治療方針 インフリキシマブの二次無効とその対処法
田中 浩紀
1
,
宮川 麻希
,
那須野 正尚
,
本谷 聡
1札幌厚生病院 IBDセンター
キーワード:
Crohn病
,
生物学的製剤
,
発生率
,
薬物反応性低下
,
Infliximab
Keyword:
Infliximab
,
Biological Products
,
Drug Tolerance
,
Crohn Disease
,
Incidence
pp.693-699
発行日 2016年5月20日
Published Date 2016/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016299268
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インフリキシマブ(IFX)5mg/kgによる計画的維持投与中のクローン病において,IFXの治療効果が減弱する,いわゆる「二次無効」は平均37%で認められる.その成因は明らかにされていないが,抗IFX抗体(ATI)産生を含むさまざまな要因による血中IFXトラフ濃度の低下が主要な機序であることが推察されている.免疫調節薬併用は,ATI産生を抑制し血中IFXトラフ濃度を高めることにより二次無効を予防することが期待されており,早期からの併用が望ましい.二次無効に陥った症例に対しては,アダリムマブへの変更よりもIFX 10mg/kgへの倍量投与を第一選択とすべきであり,約6割の症例でIFX長期継続が可能となるが,手術適応となる病変を検索することも忘れてはいけない.
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