炎症性腸疾患-ファーストタッチから長期マネジメントまで 各種治療薬について知っておくべきこと
生物学的製剤
有光 晶子
1
,
伊藤 裕章
1錦秀会インフュージョンクリニック
キーワード:
Crohn病
,
生物学的製剤
,
大腸炎-潰瘍性
,
ドラッグモニタリング
,
Infliximab
,
Adalimumab
Keyword:
Adalimumab
,
Infliximab
,
Biological Products
,
Crohn Disease
,
Colitis, Ulcerative
,
Drug Monitoring
pp.615-618
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016019452
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Crohn病(CD)は消化管機能不全に陥る危険性のある進行性の疾患であり,生物学的製剤で早期に寛解もしくは低疾患活動性にもち込むことが肝要である.CDの治療目標である寛解維持のためには生物学的製剤の維持投与が必要であるが,頻回で厳重なモニタリングを行い必要時に治療を見直すことが重要である.効果減弱例には,免疫調節薬の併用,およびinfliximab(IFX)の倍量投与が有効である.ステロイド抵抗性,依存性の難治性の潰瘍性大腸炎(UC)に対し,生物学的治療はステロイドフリー寛解と粘膜治癒を達成できる効果がある.CDでもUCでも,使用できる生物学的製剤は現在のところ2剤のみである.安易に変更せず,最初に使用した薬剤を大切に使うことが重要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2015