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クローン病 初発例の治療方針 Top-downによる治療法
吉村 直樹
1
1地域医療機能推進機構東京山手メディカルセンター 炎症性腸疾患内科
キーワード:
Azathioprine
,
Crohn病
,
生物学的製剤
,
多剤併用療法
,
寛解導入
,
治療成績
,
Infliximab
,
Adalimumab
,
維持化学療法
Keyword:
Infliximab
,
Adalimumab
,
Azathioprine
,
Biological Products
,
Crohn Disease
,
Drug Therapy, Combination
,
Remission Induction
,
Treatment Outcome
,
Maintenance Chemotherapy
pp.683-692
発行日 2016年5月20日
Published Date 2016/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016299267
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生物学的製剤の登場でクローン病の治療ストラテジーは大きく変わり,治療目標は症状を改善,コントロールする時代から,粘膜治癒(mucosal healing)を目指す時代になった.クローン病は再燃と寛解を繰り返し,進行性の不可逆的腸管合併症をきたす疾患である.したがって,今日ではステロイドなどの反応の結果を待たずに診断後早期に迅速かつ強力な寛解導入効果を有する生物学的製剤を導入して粘膜治癒を含めた寛解維持を目指す"Top-down"治療が推奨されている.クローン病初発例では,活動性だけでなく狭窄,瘻孔,腫瘍などの腸管合併症の正確な評価を行ったうえで生物学的製剤を的確に運用することが重要である.
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