IBD治療のcritical point-私ならこうする
潰瘍性大腸炎 ステロイド抵抗性の見極めと治療方針 どこで手術を決断するか?
植田 剛
1
,
藤井 久男
,
小山 文一
,
井上 隆
,
中本 貴透
,
中島 祥介
1奈良県立医科大学 消化器・総合外科
キーワード:
Steroids
,
生物学的製剤
,
大腸炎-潰瘍性
,
薬物抵抗性
,
Tacrolimus
,
回腸嚢肛門吻合術
,
臨床的判断
Keyword:
Clinical Decision-Making
,
Biological Products
,
Colitis, Ulcerative
,
Drug Resistance
,
Steroids
,
Tacrolimus
,
Proctocolectomy, Restorative
pp.641-647
発行日 2016年5月20日
Published Date 2016/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016299261
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ステロイド抵抗性と一概にいっても,どのレベルで抵抗性であるのか,その際にどういった薬剤を使用するかの明確な判断基準はなく,またどの時点で手術を決断するかの明確な判断基準もない.ステロイド抵抗例に対し,強力な内科的治療として,本邦では血球成分除去療法,生物学的製剤,タクロリムスが使用可能であるが,当科では有効率をもとに劇症に準ずる症例にはタクロリムスを,中等症に近い症例には後の寛解維持も考慮し生物学的製剤を使用する傾向にある.一方で,全身状態不良または腹部症状の強い患者では,時期を逸することなく手術を行い,患者QOL改善を第一目標に治療を進めることが重要である.
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