胃癌リスク診断を巡って-現状と問題点
胃癌リスク診断の検診への応用と課題 H.pylori既感染群の診断を巡って
安田 貢
1
,
前田 剛
,
尾立 磨琴
,
山ノ井 昭
1国家公務員共済組合連合会高松病院 健康医学センター
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
Pepsinogens
,
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
抗細菌剤
,
細菌抗体
,
集団検診
,
多剤併用療法
,
腹部X線診断
,
リスク評価
,
腫瘍の早期診断
,
除菌療法
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Antibodies, Bacterial
,
Drug Therapy, Combination
,
Gastroscopy
,
Mass Screening
,
Pepsinogens
,
Radiography, Abdominal
,
Stomach Neoplasms
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
,
Risk Assessment
,
Early Detection of Cancer
pp.1145-1154
発行日 2013年6月20日
Published Date 2013/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013284983
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ABC分類におけるA群に混在するHelicobacter pylori(H.pylori)既感染群の診断方法を述べる.血清を用いる方法では,H.pylori抗体3U/ml以上またはペプシノゲン(PG)I<32ng/mlを既感染とすると,もっとも診断精度が良好であった.胃内視鏡所見では,萎縮性変化が認められるにもかかわらず,粘膜のびまん性発赤,浮腫,皺襞の腫脹,滲出液の付着を認めないことなどが重要と考えられた.胃X線検査では,皺襞が細いにもかかわらず形態や走行の乱れがある場合,または胃小区の描出が弱く粘膜の凹凸変化が乏しい場合などで,H.pylori既感染群を疑うことができると思われた.今後,H.pylori既感染群の適切な取り扱いを考慮した,標準的な胃がん検診システムが一刻も早く構築されることが望まれる.
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