消化器内視鏡診療の進歩 パラダイムシフトへの胎動を覘きみる
検診における内視鏡の位置づけ 胃がん検診における内視鏡の役割
向林 知津
1
,
柳岡 公彦
,
渡邉 実香
,
榎本 祥太郎
,
一瀬 雅夫
1和歌山県立医科大学 第二内科
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
Pepsinogens
,
胃炎
,
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
集団検診
,
重症度指標
,
診療ガイドライン
,
リスク評価
Keyword:
Gastritis
,
Gastroscopy
,
Mass Screening
,
Pepsinogens
,
Stomach Neoplasms
,
Severity of Illness Index
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
,
Practice Guidelines as Topic
,
Risk Assessment
pp.593-598
発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011003822
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胃X線検査による胃がん検診は、有効性が評価された唯一の検診方式である。近年、内視鏡検診受診者が増加している。経鼻内視鏡が、受容性、安全性が高く検診に適した検査法として注目されているが、さらなる検討が必要である。内視鏡検診受診者は今後も増加して行くことが予想される。検診効率やマンパワーの限界など内視鏡検診の問題点を考慮すると、現在中心的役割を果たしている胃X線検診と協調し対象集約を行い、検診精度を維持していくことが大切である。除菌例の扱いなど注意したうえで血清ペプシノゲン(PG)値とHelicobacter pylori検査で胃がん発症リスクを評価し、検診対象のハイリスクを集約することが、現実的かつ有効な手段と考えられる。
©Nankodo Co., Ltd., 2010