消化器内視鏡診療における適切な鎮静法-新ガイドラインの正しい理解・運用のために
高齢者を対象とした内視鏡診療における適切な鎮静法
八木 直子
1
,
後藤田 卓志
,
鈴木 翔
,
河野 真
,
岩塚 邦生
,
森安 史典
1東京医科大学 消化器内科
キーワード:
催眠剤と鎮静剤
,
術中モニタリング
,
徐脈
,
術前診断
,
転倒・転落
,
低血圧
,
消化器系内視鏡法
,
精神鎮静法
,
呼吸抑制
Keyword:
Accidental Falls
,
Bradycardia
,
Hypnotics and Sedatives
,
Hypotension
,
Endoscopy, Digestive System
,
Monitoring, Intraoperative
pp.565-570
発行日 2015年4月20日
Published Date 2015/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015211346
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高齢者は加齢に伴う臓器の機能低下によって慢性疾患を有することが多く,またストレスに対する代償性機能も低いため,鎮静薬使用によるリスクは若年者と比べ高くなる.鎮静下の内視鏡診療において循環抑制,呼吸抑制による偶発症を理解することが非常に重要である.循環抑制においては血圧低下,徐脈,不整脈などがみられ,また,呼吸抑制では上気道閉塞,酸素飽和度低下,呼吸停止などがみられるが,高齢者では慢性的な基礎疾患を有することが多く偶発症が起こりやすいため,事前にしっかりと問診をしておく.高齢者では鎮静薬は減量投与し,投与後の効果判定はモニタリングだけでなく患者の状態を直接確認しながら,慎重に追加投与を検討していく.
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