消化器内視鏡診療における適切な鎮静法-新ガイドラインの正しい理解・運用のために
緊急内視鏡時の適切な鎮静法
樫田 博史
1
,
宮田 剛
,
朝隈 豊
,
櫻井 俊治
,
松井 繁長
,
北野 雅之
1近畿大学 医学部消化器内科
キーワード:
インフォームドコンセント
,
覚醒状態
,
救急処置
,
催眠剤と鎮静剤
,
術後管理
,
術前管理
,
術中モニタリング
,
消化管出血
,
腸閉塞
,
消化器系内視鏡法
,
精神鎮静法
,
胆石
,
胆管炎-急性閉塞性化膿性
Keyword:
First Aid
,
Hypnotics and Sedatives
,
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Informed Consent
,
Intestinal Obstruction
,
Preoperative Care
,
Postoperative Care
,
Wakefulness
,
Endoscopy, Digestive System
,
Monitoring, Intraoperative
,
Gallstones
pp.557-564
発行日 2015年4月20日
Published Date 2015/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015211345
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内視鏡における鎮静は最近ますます需要が増しており,緊急内視鏡においても鎮静を希望する患者が増加していくことが予想される.一方で,多くは全身状態が良好でない状況で行われることを考えると,安易な鎮静を行ってはならない.緊急内視鏡における鎮静はリスクが大きいが,一方で緊急内視鏡は患者の苦痛も大きいので,最小限の鎮静が必要なこともある.鎮静方法自体,通常の内視鏡と原則的に異なるものではなく,ショック,意識低下,超高齢の場合は鎮静せず,高齢者では減量する.内視鏡前に患者の病態把握と全身状態の改善が必要であり,緊急内視鏡においては鎮静による偶発症のリスクが高まる可能性についても,理解を得ておく.常に患者の苦痛や意識状態を確認し,モニターでも全身状態を把握する.内視鏡終了後も覚醒状態をチェックし,必要に応じて拮抗薬を投与する.
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