消化器内視鏡診療における適切な鎮静法-新ガイドラインの正しい理解・運用のために
内視鏡診療における鎮静の意義とわが国の現況
田辺 聡
1
,
佐々木 徹
,
堅田 親利
,
東 瑞智
,
石戸 謙次
,
小泉 和三郎
1北里大学医学部附属新世紀医療開発センター
キーワード:
催眠剤と鎮静剤
,
死亡率
,
消化器系内視鏡法
,
精神鎮静法
Keyword:
Hypnotics and Sedatives
,
Mortality
,
Endoscopy, Digestive System
pp.539-542
発行日 2015年4月20日
Published Date 2015/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015211342
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内視鏡診療における鎮静は,患者の不安や不快感を取り除き,内視鏡診療に対する受容性や満足度を改善する効果がある.また,再検査の希望率も上昇することが確認されている.さらに,内視鏡医の観点からも検査や治療の完遂率,精度の向上などに関しても鎮静の有用性が示されている.わが国における鎮静の状況は,スクリーニングの上部あるいは下部内視鏡検査については,クリニックでは8割前後と高頻度に行われ,一般病院,大学病院では4割前後との報告がみられた.一方,治療内視鏡についてはほぼ全例で鎮静が施行されていた.鎮静に関連する偶発症は非常に低率ではあるが死亡例の報告もあり,厳重な管理のうえでの施行が重要である.
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