消化器内視鏡診療における適切な鎮静法-新ガイドラインの正しい理解・運用のために
消化器内視鏡鎮静において使用する鎮静薬の種類と薬理作用 麻酔科医の立場から
尾崎 眞
1
1東京女子医科大学 麻酔科
キーワード:
Diazepam
,
Fentanyl
,
Flumazenil
,
Flunitrazepam
,
Hydroxyzine
,
Pethidine
,
Midazolam
,
Naloxone
,
Pentazocine
,
Propofol
,
催眠剤と鎮静剤
,
徐脈
,
低血圧
,
消化器系内視鏡法
,
Dexmedetomidine
,
呼吸抑制
Keyword:
Bradycardia
,
Diazepam
,
Fentanyl
,
Flumazenil
,
Flunitrazepam
,
Hypnotics and Sedatives
,
Hypotension
,
Hydroxyzine
,
Midazolam
,
Meperidine
,
Naloxone
,
Pentazocine
,
Propofol
,
Endoscopy, Digestive System
,
Dexmedetomidine
pp.531-538
発行日 2015年4月20日
Published Date 2015/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015211341
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現在臨床上用いられる鎮静薬は,中枢神経系GABA-A受容体に存在しているベンゾジアゼピンまたはバルビタール結合部位に作用する誘導体であることがほとんどである.これらの鎮静薬はGABA-A受容体を活性化することでCl-の流入を促進して眠気,健忘,注意力・集中力・反射運動能力の低下を引き起こす.ベンゾジアゼピン系の薬物に対してはフルマゼニルが拮抗薬として存在するが,プロポフォールやバルビタール系薬剤には拮抗薬はない.また,時に使用されるヒドロキシジン塩酸塩は中枢神経系のH1受容体を可逆的・競合的に抑制することで,抗不安並びに鎮静作用を呈する.近年使用適応になったデクスメデトミジンはα2受容体作動薬であり,中枢や末梢に存在するα2受容体を活性化することにより,鎮静作用と弱い鎮痛作用を引き起こすが,投与速度により高血圧・低血圧,徐脈を呈するため注意が必要であり,拮抗薬はない.
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