膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の診療の現況
分枝型IPMNの自然史
真口 宏介
1
,
金 俊文
,
矢根 圭
,
小山内 学
,
潟沼 朗生
,
高橋 邦幸
1手稲渓仁会病院 消化器病センター
キーワード:
腫瘍-多発性原発
,
膵臓腫瘍
,
発生率
,
超音波内視鏡検査
,
病勢悪化
,
腫瘍悪性度
,
待機療法
,
膵管内乳頭腫瘍
Keyword:
Neoplasms, Multiple Primary
,
Pancreatic Neoplasms
,
Incidence
,
Disease Progression
,
Endosonography
,
Watchful Waiting
,
Neoplasm Grading
pp.1675-1681
発行日 2014年11月20日
Published Date 2014/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015121485
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分枝型IPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)の経過観察報告をまとめると,進展率は25.5%,悪性であった率(悪性率)は3.0%であった.このうち結節(MN)を認めなかった群(MN-群)では,進展率16.2%,悪性率1.9%であった.嚢胞性膵腫瘍委員会報告では,MN-群の進展率は17.8%,MN+群で22.6%であった.自験例の検討では,MN-群の累積進展率は5年7.8%,10年29.7%,MN+群では5年28.6%,10年51.0%であり,初回診断時にEUSにてMNの有無を正確に評価しておくことがその後の進展予測に役立つと考える.一方,IPMN併存膵癌の報告からみた頻度は4.3%であった.自験例での併存膵癌の累積発生率は5年で2.9%,10年で7.1%であり,経過観察に際してはIPMNの進展,悪性化の監視より,むしろ併存膵癌の早期診断がより重要な課題といえる.
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