消化器癌予防up-to-date
膵癌 膵嚢胞性疾患と膵癌
鎌田 研
1
,
北野 雅之
,
筑後 孝章
1近畿大学 医学部消化器内科
キーワード:
腫瘍侵入性
,
腫瘍-多発性原発
,
膵臓腫瘍
,
超音波内視鏡検査
,
腫瘍の早期診断
,
腫瘍悪性度
,
膵管内乳頭腫瘍
,
粘液性嚢胞腫瘍
Keyword:
Neoplasms, Multiple Primary
,
Pancreatic Neoplasms
,
Neoplasm Invasiveness
,
Endosonography
,
Early Detection of Cancer
,
Neoplasm Grading
pp.1451-1456
発行日 2015年9月20日
Published Date 2015/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015402765
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は日常診療で遭遇する頻度が高い膵嚢胞性疾患である.分枝型IPMNの多くは経過観察されているが,由来浸潤癌や併存膵癌の合併を考慮し,定期的な画像検査が行われているのが現状である.壁在結節はIPMNの悪性度診断を行ううえで,重要なパラメータの一つであり,存在の有無やサイズなどを評価することの重要性が報告されている.由来浸潤癌や併存膵癌は,通常型膵癌と比較し予後が良好であり,生物学的な差の存在が示唆されている.これらの癌を早期発見するために,どのようなIPMNを厳重に経過観察するかについて考えなければいけない.また,適切な経過観察法を見出す必要がある.とくにEUSは解像度に優れ,由来浸潤癌や併存膵癌の早期診断に有用と考えられる.
Copyright © 2015, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.