外科医必読 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)のすべて
IPMNの最新の画像診断
高木 亮
1
,
真口 宏介
,
小山内 学
,
高橋 邦幸
,
潟沼 朗生
,
矢根 圭
,
金 俊文
,
松本 和幸
,
松森 友昭
,
権 勉成
1手稲渓仁会病院 消化器病センター
キーワード:
術前診断
,
内視鏡的逆行性胆道膵管造影
,
超音波内視鏡検査
,
磁気共鳴胆道膵管造影
,
管腔内超音波診断
,
膵管内乳頭腫瘍
,
腹部CT
Keyword:
Cholangiopancreatography, Endoscopic Retrograde
,
Endosonography
,
Cholangiopancreatography, Magnetic Resonance
pp.135-140
発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013077683
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)国際診療ガイドライン2012が報告され,手術適応などが改訂された.IPMNに対する画像診断の中心には,MR胆管膵管撮影(MRCP)とCTそして超音波内視鏡検査(EUS)が位置する.初回診断時には,他疾患との鑑別,特に慢性膵炎あるいは膵癌の除外を行う必要があり,MRCPとCTを行う.IPMNの診断が得られた例には,分類と手術適応としての"high-risk stigmata"の有無の判定を行う.さらに全例もしくは"worrisome feature"を有する例には,EUSでの壁在結節の有無の評価を行うことが推奨される.手術適応例に対しては,術式の選択と切除ライン決定のための主膵管内進展度診断を行う必要があり,MRCP,CT,EUSに加えて内視鏡的膵胆管造影(ERCP)と膵管腔内超音波検査(IDUS)を施行し,必要に応じて経口膵管鏡検査(POPS)を追加する.経過観察に際しては,IPMN自体の進展の評価に加えて,通常型膵癌の出現に留意する必要があり,膵全体を観察していくことが求められる.したがって,MRCP,CT,EUSが必要であり,これらを組み合わせた6ヵ月ごとの経過観察が推奨される.
©Nankodo Co., Ltd., 2013