膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の診療の現況
IPMN診療におけるEUSの有用性
鎌田 研
1
,
北野 雅之
,
工藤 正俊
,
山雄 健太郎
,
今井 元
,
坂本 洋城
1近畿大学 医学部消化器内科
キーワード:
鑑別診断
,
膵嚢胞
,
超音波内視鏡検査
,
ハーモニックイメージング
,
腫瘍悪性度
,
超音波内視鏡ガイド下穿刺吸引法
,
膵管内乳頭腫瘍
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Pancreatic Cyst
,
Endosonography
,
Neoplasm Grading
,
Endoscopic Ultrasound-Guided Fine Needle Aspiration
pp.1709-1716
発行日 2014年11月20日
Published Date 2014/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015121490
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膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)を診療するうえで,まずは他の膵嚢胞性疾患との鑑別が必要である.次に悪性度評価を行い,切除あるいは経過観察の方針を決定する.膵嚢胞性病変の鑑別診断においては,内部構造,壁在結節および主膵管との交通の有無の評価が重要であり,空間分解能に優れたEUSを用いて診断することは理にかなっている.IPMNの悪性度評価においては,EUSにより壁在結節を評価することが有用である.さらに造影ハーモニックEUSを用いると粘液を除外した画像が得られるため,より詳細な評価が可能となる.分枝型IPMNの経過観察中では,IPMN由来癌だけでなくIPMN併存膵癌の発生に留意しつつEUSによる全膵のスクリーニングが必要である.
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