膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の診療の現況
IPMNの病理
古川 徹
1
1東京女子医科大学統合医科学研究所
キーワード:
腫瘍侵入性
,
腺腫
,
変異
,
粘液腺癌
,
RNF43 Protein
,
膵管内乳頭腫瘍
,
GNAS Protein
Keyword:
Adenoma
,
Adenocarcinoma, Mucinous
,
Mutation
,
Neoplasm Invasiveness
,
GNAS Protein, Human
pp.1667-1673
発行日 2014年11月20日
Published Date 2014/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015121484
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膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は膵管拡張を主徴とし,膵管内に粘液産生を示す乳頭状の腫瘍性上皮の増生を見る疾患である.上皮異型の程度,浸潤癌の有無により膵管内乳頭粘液性腺腫,非浸潤性膵管内乳頭粘液性腺癌,浸潤性膵管内乳頭粘液性腺癌に分けられ,また,腫瘍性上皮の特徴的な乳頭状構造より胃型,腸型,膵胆道型,好酸性細胞型に分けられる.これら異型度,亜型は臨床徴候とよく関連し,多様なIPMNを的確に診断することに有用である.IPMNに特異的な分子異常としてGNAS,RNF43変異が同定された.IPMN発生進展の分子機序を明らかにすることによりIPMNに特異的な分子診療が開発できる可能性がある.
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