発行日 2014年6月20日
Published Date 2014/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2014261361
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63歳女。倦怠感を主訴とした。早期十二指腸癌、膵管内乳頭粘液性腺腫に対する亜全胃温存膵十二指腸切除術(SSPPD)後に体重減少、倦怠感とトランスアミナーゼ値上昇を認め、原因不明の肝機能障害が約2年間続いた。入院時検査では膵内外分泌機能の低下を呈したが、下痢症状や亜鉛の低下はみられず、肝生検では中~大滴性の脂肪沈着、肝細胞の風船様腫大、中心静脈域の線維化を認めた。術前に肝障害を認めなかったこと、臨床経過、肝組織所見よりSSPPD後に発症した二次性の非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)と診断して高力価膵性消化酵素補充療法を開始した。その結果、症状とエコー上の肝脂肪化は改善し、トランスアミナーゼ値は低下した。
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