十二指腸腫瘍性病変に対する診療の進歩
治療戦略 私たちはこうしている 十二指腸非乳頭部腫瘍(十二指腸腺腫、癌、カルチノイド)の治療方針
川田 登
1
,
小野 裕之
,
角嶋 直美
,
田中 雅樹
,
滝沢 耕平
,
金本 秀行
1静岡県立静岡がんセンター 内視鏡科
キーワード:
カルチノイド腫瘍
,
Polyglycolic Acid
,
十二指腸鏡法
,
十二指腸腫瘍
,
術後合併症
,
術中合併症
,
膵頭十二指腸切除
,
腺腫
,
腹腔鏡法
,
治療成績
,
内視鏡的粘膜切除術
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
,
外科用固定用品
Keyword:
Endoscopic Mucosal Resection
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Adenoma
,
Carcinoid Tumor
,
Duodenoscopy
,
Duodenal Neoplasms
,
Intraoperative Complications
,
Laparoscopy
,
Polyglycolic Acid
,
Postoperative Complications
,
Pancreaticoduodenectomy
,
Treatment Outcome
,
Surgical Fixation Devices
pp.1615-1624
発行日 2014年10月20日
Published Date 2014/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015053662
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十二指腸非乳頭部腫瘍はまれな腫瘍であり,内視鏡診断やリンパ節転移の予測因子,治療方針のコンセンサスは得られていない.今回自験例から十二指腸腺腫,十二指腸癌,十二指腸カルチノイドの至適治療方針を検討した.十二指腸は内視鏡的切除の難易度が高く,低異型度腺腫に関しては経過観察としている.高異型度腺腫と粘膜内癌は積極的な内視鏡的切除の適応病変であるが,部位やサイズにより内視鏡的切除が困難な場合には外科手術も考慮するべきである.粘膜下層以深への浸潤癌はリンパ節転移のリスクがあるため,リンパ節郭清を伴った外科手術の適応である.十二指腸カルチノイドに関しては,自験例の10mm以下の粘膜下層にとどまるNET G1かつ脈管侵襲陰性症例においてもリンパ節転移症例を認めており,現在当院では外科手術を第一選択とし,球部の5mm以下の粘膜下層にとどまる病変に関しては内視鏡的切除も選択肢としている.
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