発行日 2001年11月1日
Published Date 2001/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002087104
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1997年より2000年の間に入院し,術前閉塞性黄恒を合併し,膵頭十二指腸切除或いは幽門輪温存膵頭十二指腸切除を施行した60例を対象とした.術前減黄術を施行さず手術を施行し37例を非減黄群,減黄術を施行した後手術を施行した23例を減黄群とした.術後入院期間は,有意差はないが非減黄群が短い傾向が認められた.一方,全入院期間は非減黄群が有意に短かった.術前22例に自己血貯血を行い,減黄群9例,非減黄群13例であったが,全例に術中或いは術後に返血されたが輸血に伴う明らかな合併症はみられなかった.術後何らかの合併症をきたした症例は60例中21例であったが,非減黄群37例中10例,減黄群23例中11例となり,減黄群が有意に高値を示した.合併症の内訳は,非減黄群では創感染が5例と最も多く,肺炎,胆管炎,食道潰瘍,腹水,心筋梗塞を各1例に認めた.減黄群では腹腔内腫瘍3例,敗血症,腹水各2例,DIC,胃潰瘍出血,吻合部狭窄,創感染を各1例に認めた
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