消化器疾患診療支援のための栄養療法の最先端
炎症性腸疾患の栄養管理
佐々木 雅也
1
,
高岡 あずさ
1滋賀医科大学医学部附属病院 栄養治療部
キーワード:
Crohn病
,
栄養状態
,
経腸栄養
,
静脈栄養
,
エネルギー代謝
,
モノクローナル抗体
,
食事療法
,
大腸炎-潰瘍性
,
タンパク質-エネルギー栄養障害
,
診療ガイドライン
,
栄養管理
,
腫瘍壊死因子アルファ
Keyword:
Antibodies, Monoclonal
,
Energy Metabolism
,
Diet Therapy
,
Crohn Disease
,
Colitis, Ulcerative
,
Enteral Nutrition
,
Parenteral Nutrition
,
Nutritional Status
,
Protein-Energy Malnutrition
,
Tumor Necrosis Factor-alpha
,
Practice Guidelines as Topic
,
Nutrition Therapy
pp.1111-1117
発行日 2014年6月20日
Published Date 2014/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2014261352
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
クローン病や潰瘍性大腸炎では,蛋白・エネルギー栄養障害(protein energy malnutrition;PEM)を特徴とする栄養障害を高率に認める.とくにクローン病では,経腸栄養や静脈栄養による寛解導入効果・寛解維持効果が確認されており,薬物療法が進歩した現在でも,もっとも基本的な治療法である.罹患範囲や重症度,手術の既往によって病態が大きく異なるため,個々の病態に応じた栄養療法を選択する.活動期には,炎症に伴うエネルギー代謝の変化や栄養障害を考慮して,総エネルギー投与量や蛋白質・アミノ酸投与量を設定する.成分栄養剤を用いた在宅経腸栄養法は寛解維持に有用であるが,薬物療法の効果も考慮して栄養療法を選択する.一方,潰瘍性大腸炎の治療の中心は薬物療法であり,栄養療法は補助的な役割である.したがって,中等症から重症の潰瘍性大腸炎では,腸管安静の目的で静脈栄養を行う.この場合,重症度に応じた総エネルギーとアミノ酸投与量の設定が重要である.
Copyright © 2014, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.