抗血栓薬と消化器内視鏡の新しいガイドライン-正しい理解・適切な運用のために
処方医側から見た新ガイドライン 循環器内科医の視点
掃本 誠治
1
,
小川 久雄
1熊本大学 大学院生命科学研究部循環器内科学
キーワード:
Aspirin
,
血栓塞栓症
,
ステント
,
消化器系内視鏡法
,
診療ガイドライン
,
休薬
Keyword:
Aspirin
,
Thromboembolism
,
Stents
,
Endoscopy, Digestive System
,
Practice Guidelines as Topic
pp.37-44
発行日 2013年12月20日
Published Date 2013/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2014087311
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循環器領域において,狭心症,心筋梗塞,末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)などの動脈硬化性疾患に対する抗血小板薬,あるいは心房細動,心臓弁膜症に対する人工弁置換術後などの抗凝固薬は必須の抗血栓薬である.経過中に消化管出血の合併症により消化器内科医と連携して治療にあたることがあるが,非心臓手術時の抗血栓薬の中止は血栓塞栓症のリスクを上昇させる.血栓症の発症を予防しかつ出血性偶発症のリスクを増加させない抗血栓療法の安全域と中止の期間に関するエビデンスは少ない.出血傾向や血栓塞栓症のリスクは個人,あるいは同じ個人でも疾病の時期,病勢によっても異なるであろうし,さらに人種によっても異なる可能性があるため,絶対的な安全域を設定することは非常に困難と思われる.このため,循環器医と消化器医のお互いの意思疎通が重要である.
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